07/04/27 COLOR VARIATION

最近色々と忙しかったので、久しぶりの更新になりました。

さて、今回はルイスレザーの魅力の1つでもある、カラーバリエーションについて書こうと思います。
多少詳しい方ならヴィンテージのルイスレザーに、
多くのカラーバリエーションが存在するのは既に知っていると思います。
ハイウェイマンやベルスタッフも、一時多くのカラーバリエーションを持っていましたが、
ジャケットのモデル数同様、ルイス程ではありませんでした。
ちなみに下の画像が、1972年のLewis Leathersのカタログに掲載されているカラーチャートです。

全部で12色ありますが、これは別の年のカタログでは多少変更されていますし、
カラーも基本はブラック、ネイビー、レッド、ブルー等で、
その他のホワイトやオレンジなどはオーダー制だと記載されています。
今も昔も同じですが、売れ線のストックはあるけど、たまにしか売れない商品は在庫がないということでしょう。
モーターサイクルジャケットの場合は、素材である革自体のストックのことですね。

この時代はアメリカのベイツを見てもわかるとおり、カラフルなモーターサイクルジャケットが流行した時代で、
それまでの黒一辺倒だったモーターサイクルジャケット市場を大きく変えた時代です。
ただLewis Leathersの場合は、上のチャートのようなバリエーションが続いたのは80年代初期頃までで、
その後はブラック、ネイビー、レッド、ブルーのほぼ4色に減っていったようです。
売れないカラーを止めて、売れ線だけに絞ったということですね。
中にはブラックのみと記載されているモデルもあります。
(確かにそのモデルのネイビーやレッドは見たことないです)

お客さんにされる質問で多いのが、 やっぱりカラー物って元々少ないんですか?  という質問です。

はい。少ないです。

じゃあ自分に置き換えて考えて下さい。

今日新品の革ジャンを買いにお店に行くとします。
今でこそ、バイクに乗らない人がファッションでライダースを着ていますが、
当時30年程前は、Lewis Leathersを買っていたイギリス人は、ほとんどの人がバイクに乗っていたはずです。
そのバイクに乗る際に着る革ジャンで、ホワイトやオレンジ、ターコイズブルーなんて選びますか?
もちろんヴィンテージとしての価値なんて当時の人が考えるはずもありません。
しかも店頭にある在庫はブラックやネイビーやレッドで、他のカラーをオーダーする場合時間も掛かるはずです。
Lewis Leathersは当時、他のブランドよりも多少高価だったのですが、大枚叩いて買うんですから、
無難なブラックになるのは当然ですよね。 で、たまに店頭に在庫のある、
他のカラーのネイビーやレッドが売れていたのでしょう。

まさにヴィンテージでの玉数もそのとおりです。

今まで見た数百着の経験上ですが、おおよそブラックが7割程で、ネイビーが2割程、
その他のカラー全てで1割有るか無いか位です。
オーダーしてまでオレンジやターコイズブルー、ホワイトなんかを選ぶ人は、
よほどハイセンスな人か、既に何着も持っていたお金持ちでしょうね。

こうした歴史背景が想像できるのも、ヴィンテージならではの面白さだと思います。
当時あまり売れていなかったものが、数が出回っていない為、数十年後に逆に高値で取引されるわけですから、
今から30年後は一体何が価値が出ているんでしょうかね笑
もちろんただ数が少ないだけではなく、質が伴っていなければダメですけどね。

長くなりそうなので、今回はこれぐらいで止めておきます。
次回いつかわかりませんが、カラージャケットについて、もう少し書いていこうと思います。

ADDICT CLOTHES 
石嶋 聡