11/02/01 ABOUT ADDICT CLOTHES NEW VINTAGE

今日はADDICT CLOTHES NEW VINTAGEの第二弾以降のジャケットに付く付属品をご紹介します。
2年前からのことを思い出しながら書いていると、
多分すごく長いブログになってしまうと思いますので、2日に分けて書こうと思います。
長くて読むのが面倒だと思う方は飛ばして頂いても結構ですが、ADDICT CLOTHES NEW VINTAGEには、
たかがジッパーにも作り手の強い思いが込められていることが分かって頂けると思いますので、
興味のある方は最後までお付き合い下さい。

まずバックルやボタンはデビュー作のホースハイドシングルジャケットと同様の形のものになります。
形状は同じですが、微妙に色味が違うものをいくつか用意していますので、
ジャケットのデザインや色によって組み合わせを変えていきます。

バックルとボタン以外でライダースのパーツといえば、革と裏地の素材を除けば後はジッパーだけです。

年末に発売したデビュー作のホースハイドシングルライダースには、
全てデッドストックのヴィンテージジップをつけましたが、
やはりその部分に強く反応するのは普段からヴィンテージを着ている方達です。
15着のうち、半分くらいはヴィンテージジャケットを何着か所有されている方々に購入していただいたと思います。
私は新品のジャケットを作る場合、
ヴィンテージを持っていない人達に私が感じてきた良い物の感覚を提案することはもちろん、
オリジナルヴィンテージを着ている人たちにも認められる物を作りたいと思っていましたので、
満足できる結果になりました。

更に話をさかのぼってくと、2年前にはジャケット製作に向けて少しずつ動き出していて、
丁度その頃イギリスで知人からヴィンテージジップを購入することができ、
最初に作るジャケットにはこれをつけようと思ったことを覚えています。
しかしそれと同時に、
デビュー作に付けたヴィンテージジップに見劣りしない物を2作目以降に用意しなければいけなくなりました。

そもそも私がジャケット製作を始めたのは、今まで見てきた、
または所有している良質なヴィンテージジャケットに見劣りしない物が作れるのか?
それとも誰も作ろうとしていないからこの世に無いのか?という疑問があったからです。
完全に同じ物を作るのは無理なのでそれを目指すつもりはありませんが、
上で言った良質なヴィンテージに見劣りしない物が作れるのか?
すなわち、私自身が欲しいと思える新品のジャケットが作れるのか? というのがテーマでした。

例えばヴィンテージジャケットは擦れたり色褪せたりで革の色や金具の色も変わっています。
それを経年変化と言い、普通はネガティブに捉える傷や色褪せや汚れをアジと言うのです。
傷や色褪せ、汚れがあれば見た目が新品と違うのは当たり前ですが、私の言う良質なヴィンテージは、
デッドストックやミントコンディションのきれいな状態でも、
今作られた新品や新古品とは違う独特の雰囲気、オーラがあります。
それは今の革やパーツでは作ることができないのか?それとも誰もやろうとしていないからこの世に無いのか?
この数年来の疑問を解決したいが為に、まずはビジネスではなく趣味の領域からのスタートしたのが2年前でした。

そこからジッパー一つに紆余曲折があるのですが、ここからが長くなるので続きはまた明日書くことにします。

ADDICT CLOTHES NEW VINTAGE 
石嶋 聡