10/12/01 ADDICT CLOTHES NEW VINTAGE HORSEHIDE CENTER ZIP JKT

当初の予定よりかなり遅れてしまいましたが、
来週の土曜日、18日からADDCT CLOTHES NEW VINTAGEを販売します。
今日は全体のバランスやディテール、パーツ等を紹介したいと思います。

こちらは私が数日間着用したものです。
加工は一切していませんが、革を薄手にしてあるので腕には既に着ジワが出てきました。
今回ホースハイドを使っていますので、着用後、写真のように独特のツヤが出てきます。
馬革というと昔よく見かけた、硬くて重い革を想像するかもしれませんが、
今回使用した馬革はベジタブルタンニンの薄手で柔らかい馬革です。
60年代や70年代のイギリス製のライダースで馬革はほとんど見かけませんが、
そこはオリジナルから変更した私からの提案です。

シンプルな襟付きシングルスタイルなので、重々しいライダースジャケットというよりは、
シャツを軽く羽織るような感覚で着るのに最適です。
60年代や70年代のルイスレザーやハイウェイマンには薄手の革が使われていることもあり、
個人的にも着易くて重宝しています。
今回のNEW VINTAGEでもその点を意識しました。
もちろん厚くて重厚な革にはまた別の魅力がありますので、
厚手の革が好きな方は今後そういったものも作りますので、そのときまでお待ちください。

ディティールとしては画像で見るとおり、イギリスの60年代スタイルがベースになります。
最近流行の、極端に現代風にシルエットを変えることはしていません。
ヴィンテージの中で良いバランスのものをベースに微調整しました。当たり前ですが、
今でも十分かっこよく着られるサイズ感にしています。
それによって、ヴィンテージファンはもちろん、
ヴィンテージではシルエットに少し不満を持っていた人でも抵抗なく着用できると思います。
襟の形は特に慎重に何度も修正しましたので、満足している部分です。

雑誌などでも紹介されている通り、ジッパーは全てヴィンテージを使用しています。
フロントはLIGHTNING、袖にはCLIXを使用しています。

スナップボタンも国内で使われているものより微妙に大きく丸みのある、イギリスサイズの物を使用しました。
色も既製品だと変に光っているので、ヴィンテージ同様に合わせています。
腰のバックルも当時イギリスで使われていたものと同じ形で、スナップボタン同様色を合わせました。

先日のブログと雑誌WARPの取材でも言いましたが、ジャケットの存在感や佇まいには特に拘ります。
それは今まで扱ってきたヴィンテージがそうなのですが、
良いジャケットは着て良いのはもちろん、ハンガーにかけてある状態でも独特のオーラがあります。
今価値があるとされている全てのヴィンテージもある意味、1度は誰かが捨てたものです。
捨てられたものが時を経て再評価されてヴィンテージとなるのですが、
ほとんどのヴィンテージはファッションではなく元々ギアです。
それはバイカー用のライダースしかり、ミリタリー、スポーツなどほとんどがそうですね。
現在のファッションの世界は昔に比べとんでもないスピードでどんどん新しいものが発売され、
そのほとんどが使い捨てです。
私自身バイカーではありますが、ライダースはONLY BIKERではなく、
ファッションとしても楽しんでほしいと昔から考えています。
私はその使い捨てのファッションの世界で、
ギアとして生まれてヴィンテージとなったジャケット達に負けない存在感や佇まいの、
オーラが出ているジャケットを作るように日々模索しています。

上で紹介した、自分で着用したジャケットを店内にかけてあるヴィンテージと並べて撮影してみました。
ヴィンテージのほうは数十年の年季がありかなりの雰囲気が出ていますが、
NEW VINTAGEもまだまだ着始めたばかりとはいえ良い雰囲気です。

普通洋服は店で売るときに1番良い状態にして売るのが当たり前です。
しかしADDICT CLOTHES NEW VINTAGEは店で売っている時点ではまだ完成ではありません。
自分で育ててオーラを出し、将来のVINTAGEにしていってください。

ADDICT CLOTHES NEW VINTAGE  
石嶋 聡