11/04/26 AD-03 BRITISH ASYMMETRY JACKET

先日のターコイズブルーに続いて、GWに発売するもう1種類のジャケットのご紹介です。
今やUKヴィンテージライダースファンなら画像を見れば誰もがわかるデザインのこちらです。

ADDICT CLOTHES NEW VINTAGE AD-03 BRITISH ASYMMETRY JACKET Black 

ジャケットを作り始めた当初から要望が多く、
一部の人達にはジャケット製作を始める前から冗談?で言われ続けていきた型です。
当初はそれほど作る気があったわけではないのですが、
ご要望がすごく多かったことと、自分のイメージする仕上がりと、
実際の製品の仕上がりがかなり近くなってきたので、
ADDICT CLOTHES NEW VINTAGEでライダースを作る際のコンセプトでもある、
OLD VINTAGEに負けない佇まいや、
雰囲気があるジャケットを作れるかどうかチャレンジする為に製作に取り掛かりました。

この形もAD-02 DOUBLE RIDERS JACKET同様、当時のオリジナル発売後、似たデザインの物はもちろん、
現在ではライダースブランドやデザイナーズブランドから同じデザインの物が多く発売されています。
当時は全くポピュラーなデザインではなく、他のモデルに比べ短期間しか作られていなかったジャケットです。
しかしそれが逆に希少性を生み、
ヴィンテージでは1つとび抜けた存在になっていることはご存知の方も多いと思います。
左右対称なデザインが多いライダースにおいて、
フロントのスナップベルトや左胸の斜めポケットなど、デザインにも他とは違った特徴があります。
AD-02の時も同じことを考えていましたが、ただ単に同じデザインをそのまま作ったり、
ポケットの形をちょっと変えたりすることには興味がありません。
もちろん狙いは上質なOLD VINTAGEに負けない物作りです。
私はヴィンテージの販売を主としているのでもしかすると自分の首を絞めているのかもしれませんが、
自分に嘘はつけません。
可能かどうかとか、もしかすると馬鹿する人もいるかもしれませんが関係ありません。
好きなヴィンテージを越えるつもりで作ります。
多分今までに仕入れたこの形のヴィンテージは50~60着ぐらいでしょうか。
その全てが経年変化の具合や革の厚み、柔らかさ等が違い、それぞれが異なる表情を持っていました。
その5,60着のパターンの中の1つ、
オイルをふんだんに含んだ、しっとりとした上質な革の質感のヴィンテージジャケットをイメージして作りました。

革はAD-02 HORSEHIDE DOUBLE RIDERS JACKET Dark Blueと同じ革です。
何度もブログやウェブサイト、もちろん店頭でも馬革は硬くて重いイメージがあるけど、
使っているのは柔らかくて比較的軽い革です。と説明していますが、
今でも電話の問い合わせなどで馬だと硬くて重いですよね?と聞かれます。
AD-02 ホースハイドダークブルーは既に完売してしまったので今はお見せできませんが、
あまりイメージや固定観念にとらわれていては良いものは見えてきません。
今まで発売してきたジャケットを買ってくださった方の中には、
何人か初めて新品のライダースを買います。 という方もいました。
ヴィンテージが好きだから新品のライダースは毛嫌いしてきたけど、すごく気に入っています。
時間作って見に来てよかった。 
という作り手としても励みになるすごく嬉しい言葉を頂きました。
インターネットを使うと、簡単にあたかも知っているかのような気になれる時代になりましたが、
百聞は一見にしかずです。
そういう行動こそがより良い物を見つける唯一の手段ではないでしょうか。
それは買う立場の消費者も、作る立場の私達も同じことです。
地方の方からも数多くお問い合わせを頂いていますので、今後は直接手にとって見られるよう、
生産できる範囲で少しづつ販売店も増やそうかと思います。
もちろん通販を希望される方は不明な点があればお問い合わせ下さい。
遠方の方の為にもここで色々詳しく書いています。

話がそれましたが、先日同じ革を使用しているAD-02ホースハイド、
ダークブルーを常連さんが店に着て来てくれました。
まだ購入から1カ月ほどしか経っていないのですが、ほぼ毎日着ているようで、
ホースハイド特有のツヤ感とシワが絶妙に入りとてもいい感じになっていました。

やっぱりライダースやブーツ、デニムなんかは人の手に渡った後更に良くなりますね。
先日のブログでVINTAGEが経過してきた時間は作れないと言いましたが、
まだ1か月ですがこれがまさにそうですね。
機会があればここで画像付きで紹介できればと思います。

各ディティールのバランスですが、もちろん抜かりなく仕上げています。
パターンナーさんとの打ち合わせの際は、
1着1着微妙にバランスの違うヴィンテージを一から見直すため、
このデザインのヴィンテージを私物、在庫、取り置き品など10数着揃えて型紙作成をしました。
何色も揃ったカラフルな光景は普段まず見れない景色なので写真でも撮ってここに載せるべきでした。
偶然色々揃っている時期だったので作るタイミングとしてもベストだったと思います。
今まで同様、全体のバランスはヴィンテージをベースに気になる部分を微調節しました。敢えて言うなら初期型です。

GWというシーズン終わりに近づいての発売になりますので、
今年中のこのパターンでの発売は今回のみになります。ぜひGW期間中は実物をご覧になってください。
先日のAD-02 ターコイズブルー同様、29日金曜日からの発売になります。

                                                                     
ADDICT CLOTHES NEW VINTAGE  
石嶋 聡